『えらい人』と『そうではない人』
とあるところでこんな話を聞いた。
「うちの会社は商社なので金を取ってくる営業が一番えらい。」
私はこの話を聞いた時にものすごい違和感を感じた。
『優遇されている』のでも、『より大事に扱われている』でもない。
『えらい』という表現なのだ。場所が場所なので失言ということも
きっと無いのだと思う。日常的にこの人はこのように思っているの
だろう。
『えらい』、『偉い』の方が適切だろうか、この言葉を聞いて
何を連想するか。王侯貴族のような『特権階級』を私は最初に
思い浮かべる。
会社という組織にはいろいろな役目を果たす人が必要だ。
すべてが社長では意味が無いし、全員経理部門というのも
訳がわからない。
その中でえらい人とそうでない人がいるとしたらどうなるか。
私が思い描いたような『特権階級』のような意識があったとしたら、
「えらい人」だけが人間扱いされ、「そうではない人」は迫害されても
文句は無い、「えらい人」たる条件が満たせない人も同様に
何をされても文句は言えない、そんなことになるのではないか。
私は、会社に『偉い人』などというものは存在しないと思う。
もっと言えば、存在してはいけないとすら思っている。
立場上指示を出したりする人もいるが、あくまで関係は対等。
決して主従関係などではないはずだ。
社長が偉いのではない。
社長の仕事をしているから偉いのだ。
社員が偉いのではない。
社員としての仕事をしていればこそ偉いのだ。
最初の話を聞いた際に、違和感と同時に
むかしお世話になった人が言っていた、
こんな言葉を思い出した。
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